■入社初日の挨拶回りで「私たちは明後日辞める」という先輩は「ごめんね」と言った

入社してすぐ、歓迎会で先輩たちは優しそうに見えましたが、その日の挨拶回りで「私たちは明後日辞める、ごめんね」と告げられました。さらに、内定時期にいた先輩たちが全員辞めていたと聞き、一抹の不安がよぎりました。

――暗黒労働編はどのくらい働いていたのでしょうか？
約4年間です。「とりあえず3年は続けよう」と考えていましたが、毎日終電ギリギリまで働き、睡眠時間は2～4時間ばかりでした。社内研修や打ち合わせが終わるとすでに定時を過ぎており、そこからようやく通常業務を始める日々でした。残業が「普通」だと刷り込まれ、それが当たり前になっていました。

――同期や先輩が次々辞めていった？
はい。仕事はハードで、業務量も多く、スピードも求められました。辞める人が増えるたびに、残された人に業務がのしかかり、自分もどんどん疲弊していきました。「顔が死んでるよ」と言われることもありました。

――給与は？
固定残業代で、超過分は支給されましたが、やはり早く帰れる方が嬉しかったですね(笑)。毎晩深夜まで働くのは本当に辛かったです。

――退職の理由は？
体に異変を感じ、「これはまずい」と思ったためです。神経症の症状が出てからは健康が最優先と考え、退職を決意しました。

――一番辛かったエピソードは？
お盆や正月の休みにもかかわらず、徹夜で仕事を持ち帰って片付けていたことです。極限の眠さと、休めない精神的な辛さが重なり、本当に参りました。

中途採用の新人に業務を説明したら、昼休憩後に「退職します」と消えた。負担が減ると思ったのに、一日も持たない環境とは。