■ガスダーミンという物質とは?
先日、進行がんの患者が「がん細胞を死滅させる」と説明され、自由診療で「ガスダーミン」という物質を投与され死亡する事件が発生した。このガスダーミンは2020年に『Nature』で、免疫のシステムを強化する因子として注目されたが、細胞やマウス実験段階のものであり、人間への使用は確認されていない。治験データもなく、どのガスダーミンががん治療に有効かも不明だ。また、ガスダーミンは炎症性サイトカインを放出し、「サイトカイン症候群」と呼ばれる重篤な副作用を引き起こすリスクがある。
■有効性よりも安全性が重要
未検証の物質を人間に投与する際は、有効性よりもまず安全性が最優先されるべきである。新薬の開発では、第1相試験から少量で投与し、安全性を確認する厳格なプロセスがあるが、今回のケースではそのような手続きを経ずに治療が行われた可能性が高い。こうした行為は人体実験に等しく、医療倫理的にも問題がある。
■がんの自由診療がはびこる原因
本来、未承認の治療法は臨床試験で慎重に評価されるべきだが、「医師の裁量権」によって自由診療は規制が及ばず、患者は藁にもすがる思いで治療を受け、「お金はいくらかかっても可能性があるなら」と費用を惜しまないことも多い。筆者の患者の中には、このような自由診療に1000万円以上を費やした人もいる。利益率の高さから、美容系クリニックががん自由診療に進出するケースも増えている。
■「あやしい自由診療」見極めのポイント
患者があやしい自由診療にだまされないためには、以下の3点に注意することが重要である。
先日、進行がんの患者が「がん細胞を死滅させる」と説明され、自由診療で「ガスダーミン」という物質を投与され死亡する事件が発生した。このガスダーミンは2020年に『Nature』で、免疫のシステムを強化する因子として注目されたが、細胞やマウス実験段階のものであり、人間への使用は確認されていない。治験データもなく、どのガスダーミンががん治療に有効かも不明だ。また、ガスダーミンは炎症性サイトカインを放出し、「サイトカイン症候群」と呼ばれる重篤な副作用を引き起こすリスクがある。
■有効性よりも安全性が重要
未検証の物質を人間に投与する際は、有効性よりもまず安全性が最優先されるべきである。新薬の開発では、第1相試験から少量で投与し、安全性を確認する厳格なプロセスがあるが、今回のケースではそのような手続きを経ずに治療が行われた可能性が高い。こうした行為は人体実験に等しく、医療倫理的にも問題がある。
■がんの自由診療がはびこる原因
本来、未承認の治療法は臨床試験で慎重に評価されるべきだが、「医師の裁量権」によって自由診療は規制が及ばず、患者は藁にもすがる思いで治療を受け、「お金はいくらかかっても可能性があるなら」と費用を惜しまないことも多い。筆者の患者の中には、このような自由診療に1000万円以上を費やした人もいる。利益率の高さから、美容系クリニックががん自由診療に進出するケースも増えている。
■「あやしい自由診療」見極めのポイント
患者があやしい自由診療にだまされないためには、以下の3点に注意することが重要である。
- 健康保険が使えない自由診療
- 「がんが消えた」「治った」などのうたい文句
- 体験談が載せられている
コメントまとめ
標準治療と言われると、「もっと良い治療があるのでは?」と考える人も少なくないようですね。以前知人にも、自由診療を受けた末に亡くなった方がいて、1200万円かかったと聞きました。
「標準」という言葉を、もっと納得しやすい名称にできればと思います。
また、患者さんがセカンドやサードオピニオンの権利を積極的に活用し、専門家の意見を多角的に聞けるようになると良いですね。セカンドやサードオピニオンは保険外ですが、それでも自由診療のがん治療に比べればはるかに安価です。
「標準」という言葉を、もっと納得しやすい名称にできればと思います。
また、患者さんがセカンドやサードオピニオンの権利を積極的に活用し、専門家の意見を多角的に聞けるようになると良いですね。セカンドやサードオピニオンは保険外ですが、それでも自由診療のがん治療に比べればはるかに安価です。
- 主さんのおっしゃる通り、標準治療って本当にすごいと思いますよ。
余計な投資を省き、最も有効なものに絞られていますからね。
ただ、自分の体ですから、最終的な選択は自分にあるのも確かです。
とはいえ、藁にもすがる思いで自由診療に行くというのは、判断力が低下している状況だと思います。 - 自由診療選ぶ人は、セカンドオピニオンやサードオピニオン行っても、結局ご自身の考え優先で納得しない方が多いです。それに、ほとんどのかたはセカンドオピニオンで状況を理解される。あと、最近はセカンドオピニオンの意味をわからず使おうとする人が多くなりました。
有効性や安全性は重要です
でもね
日本の薬事承認って海外と比べると非常に遅く、海外で認可がおりて一般的に使われている薬剤が日本では未認可なんていうこともざらにある。
まして、せっかく薬事承認がおりた新薬なのに医療保険に取り入れられないこともある。
治療法だって同じ
最新の有効性の高い治療法が保険診療として認められるのにも時間がかかることが多い
そういった薬事行政や保険行政の問題点にも目を向けるべきなのでは?
でもね
日本の薬事承認って海外と比べると非常に遅く、海外で認可がおりて一般的に使われている薬剤が日本では未認可なんていうこともざらにある。
まして、せっかく薬事承認がおりた新薬なのに医療保険に取り入れられないこともある。
治療法だって同じ
最新の有効性の高い治療法が保険診療として認められるのにも時間がかかることが多い
そういった薬事行政や保険行政の問題点にも目を向けるべきなのでは?
- 安全重視に傾き過ぎて(万が一にも重篤な副作用が露呈したら認可した役人の責任にもなる)薬事承認が進まないのかもしれませんねぇ。
「コーカサス系の人に副作用を凌駕する効果があるのはわかった。だが日本人ではどうなんだい?この薬」なんて会話がなされてたり?
藁にもすがる思いで、良いとされるものは何でも試してみたくなるのが普通だと思います。
医師から、「治療は出来ません。いかにして苦痛を和らげて最後を迎えるかを考えていきましょう」と言われたら、治療せずにこのまま死ぬしかないの?と絶望的になります。
私の母が闘病中に、同じ病室にいた人からタヒボというサプリを勧められました。
聞けばそれでガンが治った人がいるとの話。
少しでも何かできることがあれば、と試したけれど、体調が悪化してサプリを飲むことすらできなくなり………結局、効きませんでした。
医師から、「治療は出来ません。いかにして苦痛を和らげて最後を迎えるかを考えていきましょう」と言われたら、治療せずにこのまま死ぬしかないの?と絶望的になります。
私の母が闘病中に、同じ病室にいた人からタヒボというサプリを勧められました。
聞けばそれでガンが治った人がいるとの話。
少しでも何かできることがあれば、と試したけれど、体調が悪化してサプリを飲むことすらできなくなり………結局、効きませんでした。
- スティーブ・ジョブズもガンの自然免疫療法にハマり、早期発見されていたのに最終的には手遅れになってしまいました。どんなにお金があっても、「自然にガンを治す」という奇跡が手に入るわけがないんですよね。
実際、人間で効果が確認されていない方法に頼るのは、まさに人体実験を受けるようなものです。それに気づくのは、手遅れになる前に本当に医療が必要だと感じた時なんだろうなと思います。 - 雑な言い方をすると、保険適応の治療は、効果がある、と国が認めた治療方やで。効果が無い治療法には税金は使えないんや。ようは自費の癌治療なんかほぼインチキやで。
以前、血液のがんに罹患し余命宣告を受けた時は、本当に藁にもすがる思いで治る方法を探しました。主治医からはもちろん標準治療をすすめられました。
それからセカンドオピニオンをし、患者会などにも参加して得られる情報を集めました。
その中には、自分でできる方法を標準治療に影響がない限り実行したものもあります。
果たしてそれが良かったのかはいまだに不明ですが、寛解し今生きることができています。がん友の中には、高額な免疫療法を受けている人もいました。
近所の人には「飲んで治った人がいる」と、サプリメントのようなものをすすめられました。値段が高すぎてお断りしましたけど…
元気なら記事にあげられている治療法などが怪しいと思えるかもしれませんが、実際に自分が罹患した時にその正常な判断ができるかどうか…は、その時にならないとわかりません。冷静に判断してくれる相談相手がいることも大切かもしれません。
それからセカンドオピニオンをし、患者会などにも参加して得られる情報を集めました。
その中には、自分でできる方法を標準治療に影響がない限り実行したものもあります。
果たしてそれが良かったのかはいまだに不明ですが、寛解し今生きることができています。がん友の中には、高額な免疫療法を受けている人もいました。
近所の人には「飲んで治った人がいる」と、サプリメントのようなものをすすめられました。値段が高すぎてお断りしましたけど…
元気なら記事にあげられている治療法などが怪しいと思えるかもしれませんが、実際に自分が罹患した時にその正常な判断ができるかどうか…は、その時にならないとわかりません。冷静に判断してくれる相談相手がいることも大切かもしれません。
- まあそれは自由。
人体はプラセボによる効果も大きいので、藁にもすがって無意味なものでも効果が出る場合がある。
藁をもすがる気持ちで自由診療に行く患者は結構いると思う。
似非科学に弱い人は一定数いるし、心も弱っている。
自分の親戚にもいた。免疫療法だか何だか名目はそれらしいものに、新車1台分くらいの金額は費やした。だけど当然だが寛解もしなかった。
所詮は藁のくせに期待だけ煽り、それが非常に高額なのが悪質極まると思っている。
怪しげな民間療法と似たようなものなのに、医者が介在するので妙に科学的な信頼感を出してくる。そして標準治療ではない、高額ゆえに自由診療にこそ普通の人が得られない特別な治療があるのでは…という期待や希望が生まれるのかもしれない。
自由診療に「秘密の特別な効果」などなく、
「根拠がない」という意味が大きいことを知っておくほうが、
貴重な時間やお金を自己満と博打に費やさないで済むと思う。
似非科学に弱い人は一定数いるし、心も弱っている。
自分の親戚にもいた。免疫療法だか何だか名目はそれらしいものに、新車1台分くらいの金額は費やした。だけど当然だが寛解もしなかった。
所詮は藁のくせに期待だけ煽り、それが非常に高額なのが悪質極まると思っている。
怪しげな民間療法と似たようなものなのに、医者が介在するので妙に科学的な信頼感を出してくる。そして標準治療ではない、高額ゆえに自由診療にこそ普通の人が得られない特別な治療があるのでは…という期待や希望が生まれるのかもしれない。
自由診療に「秘密の特別な効果」などなく、
「根拠がない」という意味が大きいことを知っておくほうが、
貴重な時間やお金を自己満と博打に費やさないで済むと思う。
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